エコキュートの貯湯タンクから水漏れ!故障の原因や対処法について

エコキュートの貯湯タンクから水漏れ!故障の原因や対処法について

公開日:2024年9月29日 更新日:2024年10月1日 執筆:エコテック担当者
カテゴリ:トラブル
エコキュートの貯湯タンクから水漏れ!故障の原因や対処法について

エコキュートを利用中に、貯湯タンクから水漏れが発生して困っていませんか?貯湯タンクからの水漏れはどのように応急処置をしたら良いのか、根本的な解決方法はどのようなものがあるのか、確認していきましょう。

この記事では、貯湯タンクから水漏れを起こしている場合の故障の原因や、その対処法、そもそも貯湯タンクはどのような役割で水漏れ解決策はどのようなものがあるのかをご紹介しています。

エコキュートの貯湯タンクからの水漏れにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

エコキュートの貯湯タンクからの水漏れは故障?

疑問

「水漏れ」という言葉のイメージから「これは故障している!」というふうにイメージが直結するかもしれませんが、例えばエコキュートの構造や仕組みにあまり詳しくない方が見て「水漏れかも」と思う状況のなかには、実は故障ではなく正常動作の結果という場合もあります。

実際にエコキュートの故障が疑われるケースと、そうでないケースについて順に解説します。

故障となっているケース

基本的に、エコキュートが正常な動作として排水をおこなう際には、水は排水口から出てくることになります。そのため、もし貯湯タンクの排水口からではなく、明らかにタンク本体や配管、配管の繋ぎ目などの部分から水漏れがみられる場合には、故障の可能性が高いため早めに専門の修理業者にみてもらいましょう。

また、例え排水口からの排水であっても、運転の有無に関わらず、一日中常に水が出ているような状況は異常です。

故障ではないケース

エコキュートの沸き上げ運転時に、貯湯タンクの排水口から水が出てくるのは異常ではありません。沸き上げ時にはタンク内部の水の温度が上昇し、体積にしておよそ3パーセントほど膨張します。タンク内にはもともと容積いっぱいまで水が貯められているため、このときに膨張した分が排水口から逃がされる仕組みとなっているのです。

また、例えば旅行で家を空けていたなどで、長期間エコキュートを運転していない状況があった際、久しぶりに運転しようとすると、貯湯タンクの水抜き栓から水の排出がみられる場合があります。これは、しばらく使用していなかったことにより圧力が高まっているタンク内部を減圧調整するための動作であり、通常問題ありません。

念のためいつもどおりお湯を沸き上げてみて、問題なく使用できるかを確認しておきましょう。

エコキュートの貯湯タンクについて

タンク

エコキュートの仕組みや構造、内部での水の流れなどを知っておくと、いざ水漏れが起きた場合にも、これはどういった部分のどういった水が出ているのか、というイメージがつきやすくなります。基本的な部分についてご紹介します。

貯湯タンクとは?

エコキュートを運用する際、室外に設置するユニットとして「ヒートポンプ」と「貯湯タンク」の2つがあります。一般的に膝上~股下くらいの高さで、大きなファンが付いていてエアコンの室外機のようにも見えるユニットがヒートポンプです。比較して背が高く、400~500リットルほどの水を蓄えられるくらいの大きさとなっているユニットが貯湯タンクとなります。貯湯タンクは外部から見ると四角い立方体ですが、その内部には円筒状のタンクが格納されています。

貯湯タンクの役割

貯湯タンクは、その名のとおり中にお湯を貯めこむためのタンクです。また、貯湯タンクとヒートポンプの間には、水が出たり入ったりと循環する2本の配管で結ばれています。

エコキュートがお湯を作る仕組みとしては、まずヒートポンプが周囲の空気を取り込み、内部の冷媒で空気から熱を集めます。集められた熱は同じくヒートポンプ内部にあるコンプレッサーという装置で圧縮され、さらに高温になります。この高温となった空気を使って、貯湯タンクから流入してくる配管内の水を温め、お湯へ変化させてから再び貯湯タンクへと戻します。

貯湯タンク内では、ヒートポンプ側から送られてきたお湯は上部に貯まり、一方で温める前の水道から来たばかりの水は下部に貯まっています。

つまり貯湯タンクは、「お湯は水よりも軽い」という自然の性質を利用して、お湯と水の両方をひとつの場所に貯めておけるようになっているタンクです。

貯湯タンクからの水漏れで起こる症状

びっくり

貯湯タンクから故障や不具合による水漏れが実際に起こってしまっている場合には、以下のような状況が発生します。

残湯量が減る・増えない

貯湯タンクに水漏れが生じていると、当然のことながら内部のお湯や水が減り続ける結果となってしまい、お湯を作るための運転をしていてもいつまで経ってもお湯が必要量まで貯まらなかったり、使用していないときでもリモコン側の表示で残湯量が減ってしまうという状況が起こります。

追い焚きができない

追い炊き機能が付いたフルオートタイプのエコキュートで、追い炊きをしようと思っても水温が上がらなかったり、リモコン側で空焚きを意味するエラーコードが出て停止してしまったりということが起こります。

お湯がぬるい・水が出る

例えばリモコン側では正常な沸き上げ完了の通知が出ていたとしても、実際に沸き上がったお湯がすぐに抜けてしまうような位置にタンクの水漏れがあった場合は、お湯がいつもよりぬるかったり、冷たい水が出てしまったりということが起こります。

タンクの下が濡れる

エコキュートの貯湯タンクや隣接するヒートポンプの下部は、通常の排水や熱交換による結露などで、特に運転時や運転直後は少し濡れていることが普通です。しかし水漏れが起こってる場合には、運転停止から数時間経ってもまったく乾かないほどに濡れてしまっている状況がありえます。

エコキュートの沸き上げ運転は一般的に電気料金プランとの兼ね合いで夜間におこなわれ、明け方には停止しているということが多いため、朝に貯湯タンクの下部が濡れているのは正常ですが、日中になっても乾いていなかったり、時間帯を問わずいつも濡れているような場合には不具合による水漏れが考えられます。

貯湯タンクからの水漏れ応急処置方法

はてな

もし貯湯タンクからの異常な水漏れを発見したら、被害や故障の拡大を防ぐために、最低限以下のような手順で応急処置をおこなっておきましょう。

エコキュートの電源をオフにする

最初に、エコキュートの電源を切っておきましょう。エコキュートの貯湯タンク内やヒートポンプ内には、配管や弁といった物理的構造だけでなく、精密な電気系統の部品が組み込まれています。水漏れが起こっている状況で通電したままにしていると、これらの部品が故障したり、また人体への影響としても漏電など大変危険な事態につながるリスクがあります。

給水配管専用止水栓を閉じる

電源を切ったあとは、止水栓を閉じ、タンク内部へこれ以上水の供給がおこなわれないようにしておきます。水漏れがある状態で水の供給が続くと水漏れ箇所のヒビや穴が拡大してしまう可能性があり、また水道も無駄に消費してしまいます。

また集合住宅の場合には、水漏れの被害は階下の他の住民にまで及んでしまうリスクもあるため注意が必要です。エコキュートの止水栓の場所は、一般的に貯湯タンクの側面や下部にありますが、例えば排水便など間違った箇所を操作してしまうと思わぬトラブルになりますので、取扱説明書で場所を確認しておきましょう。

大元の水道バルブを閉じる

あわせて、止水栓自体に故障が発生している可能性も考慮に入れ、水道の大元のバルブも閉めておきます。

貯湯タンクから水漏れする原因

悩む

エコキュートの貯湯タンクから異常な水漏れが発生してしまう原因には、以下のような状況が考えられます。

内部部品の故障

貯湯タンク内部のスイッチやセンサー、弁などの部品が何らかの要因で故障している場合や、ヒートポンプ側の部品の故障によって水の流量の制御が異常になり、貯湯タンクへ悪影響を及ぼしてしまうケースもあります。

経年劣化による劣化

エコキュートを長い年月愛用していて、貯湯タンクそのものに腐食やヒビ割れ、欠損といったような物理的な故障が生じてしまう場合です。また経年劣化だけでなく、地震など災害の影響で劣化が急激に進んでしまうケースもあります。

貯湯タンクが故障する原因は寿命?

リモコン

エコキュートは機械であり工業製品である以上、経年劣化はどうしてもつきものではありますが、とはいえ元々長い期間使えるように精密に作られている製品です。

そのため明確に寿命といえるような区切りはありませんが、例えば運転頻度の高さや、設置されている環境・気候などによっては据付してから10年~15年程度が寿命と言われています。

「そろそろ寿命かな?」と感じられた場合でも、エコキュートの修理を専門におこなっている修理業者に出張点検を依頼することによって、どのような部分が劣化している可能性があるか、まだまだ使えそうかなどを見極めることが可能です。

エコキュートの交換について

新しいエコキュート

水漏れが起こった際に、もともと水漏れ以外にも不具合がみられ、だましだまし使っていた…といったような場合には、「修理よりいっそ買い替えのほうが総合的にみて安いかも?」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

そのようなときには、現状の修理だけするケースと買い替えするケース、それぞれの見積もり額やメリット・デメリットを親切に説明してくれる、信頼のおける修理業者に相談してみるとよいでしょう。

貯湯タンクからの水漏れ解決策

突破口

エコキュートを長く使い続けるなかで、水漏れなどの故障の可能性を少しでも下げるためには、できる範囲でのこまめな点検(変なところから水が出ていないか、沸き上げの結果や所要時間はいつもどおりかなど)をおこなうことと、定期的なメンテナンスをおこなうことが大切です。

メンテナンス方法についてはメーカーや機種の違いによってさまざまですが、一般的には例えば年に数回貯湯タンクから水を完全に抜き、内部を清掃したり、必要に応じて給水口や配管のチェックをします。

機種ごとの正しい手入れ方法や、使用してよい洗剤の種類などは取扱説明書でチェックしておきましょう。

もし、残念ながら実際に水漏れが発生してしまった場合には、先述の応急処置だけおこなっておき、すぐに修理業者へ連絡することをおすすめします。

エコキュートの貯湯タンクからの水漏れを修理する費用

電卓

エコキュートの修理を専門におこなっている事業者へ貯湯タンク水漏れの修理を依頼する場合、かかる費用については具体的な状況や水漏れ箇所などによっても異なりますが、目安としては以下のような金額になる可能性があります。

・貯湯タンクの交換:100,000円~300,000円 など

・配管修理:15,000円~50,000円 など

・電気系統の交換:20,000円~80,000円 など

※エコテックなら16,500円~

エコキュートの貯湯タンク水漏れを放置するリスク

リスク

貯湯タンクから例えわずかでも水漏れしている状況をそのまま放置していると、以下のようなリスクが考えられます。

他の部品などへの影響

貯湯タンクからの水漏れが続くことにより、ヒビや破損がある箇所の故障の程度が大きくなっていくだけでなく、タンク内部の弁やスイッチといった他の部品も正常な動作がおこなえず負荷がかかるようになってしまい、劣化が早まってしまう可能性があります。

お湯が使えない

タンクにいつまでもお湯がたまらないほどの多量な水漏れが起こってしまっている場合は、お湯が使えなかったり、お湯は張り終えたものの入浴中にお湯が出ないといった状態になる可能性があります。

水道代・電気代の上昇

貯めたお湯が水漏れで減り続けているような場合、給水の頻度や再びお湯を作るための運転頻度が高くなってしまい、水道代や電気代が著しく高くなってしまうリスクがあります。

エコキュート本体の故障

一部からの水漏れが、エコキュートの電気系統や、水の流量や向きなどを調節しているスイッチ類にまで影響を及ぼし、いずれエコキュート自体をまるごと入れ替えなければならないほどの故障となってしまうリスクがあります。

まとめ

ここまで、エコキュートの貯湯タンクから水漏れが起きている場合の原因や、対処法、応急処置方法などについてご紹介してきました。エコキュートの貯湯タンクから水漏れしているときは、故障しているケースと故障していないケースがあり、故障している場合には自分で対処することが難しいため、専門のエコキュート修理業者へ相談ください。

エコキュートは10年以上利用すると寿命によってあちこち故障することもあります。その場合には、エコキュート本体の交換も検討すると良いでしょう。

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