ご利用中のエコキュートが雷によって故障してしまった場合、火災保険は適用になるのでしょうか？また、故障してしまった場合にはどのような症状が出て、修理にはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。

この記事では、ご利用中のエコキュートが落雷によって故障してしまった場合に、火災保険によって全額補償されるのか、そもそも適用できるものなのか、修理費用や故障したときの対処法など詳しく解説しています。

落雷によってエコキュートの故障が疑われる場合には、ぜひ参考にして下さい。

エコキュートは雷に影響しやすい？

エコキュートは落雷の影響を受けやすい製品と言えます。エコキュートは室外機が家の外に設置しているため、外からの落雷の影響を受けやすく、落雷によってエコキュート内部の部品や基盤、配線などが故障してしまうことがあります。

予防策としては、屋内のブレーカーを「切」にしたり、リモコンの運転スイッチを切ったりするなど方法はありますが、完全に雷の影響を0にすることは難しいでしょう。

ただし、エコキュートは雷によって故障した場合、保険内容によっては補償の対象となる場合がありますので、火災保険など、自宅で加入している保険内容を確認しておくと良いでしょう。

落雷によってエコキュートが故障する理由は？

エコキュートが落雷によって故障してしまう原因は「雷サージ」によるものです。

雷サージとは、雷によって発生する瞬間的な過電圧や過電流のこと言い、電源線や通信線、電気機器に過電流を与え、エコキュートなどの電気を利用する製品を故障させてしまう原因になります。

雷サージは直接建物に落雷しなくても発生するもので、雷放電路に流れる電流によって付近の電磁界に変化が起こり、周りにある電気製品に影響を与える場合もあります。つまり、落雷が近くで発生した場合にエコキュートは雷サージの影響を受けて故障してしまうことがあります。落雷によってエコキュートが故障すると、「エコキュートが起動しない」「エコキュートがエラーを表示したまま使用できない」といった症状が出ます。

落雷によるエコキュートの故障に火災保険は適用できる？

落雷によってエコキュートが故障してしまった場合、エコキュートの修理に対して火災保険が適用されるケースがあります。

多くの場合、ご加入の火災保険で補償されますが、ご加入の火災保険の内容によってはエコキュートの故障は対象ではないというケースもありますので、火災保険の補償内容について確認しておくと良いでしょう。

一般的に、火災保険の補償対象は「建物」「建物と家財」というように補償対象が分かれており、加入している火災保険の種類によって対象が異なります。ただし、エコキュートは「建物」の一部としているため、「建物」が補償対象になっている場合でも、エコキュートは補償対象になるケースが多いでしょう。（加入している保険内容によって異なります）

火災保険が適用されるような一例を挙げると、以下のような例になります。

・雷が直接エコキュートにあたり故障した

・建物に落雷が落ちてエコキュートも故障した

・近くで落雷があり雷サージによって故障した

上記のような完全に雷によって故障してしまった場合には、火災保険が適用されるケースが多いでしょう。ただし、何度もお伝えしますが、加入している火災保険の内容によってすべて決まりますので、必ずご加入の火災保険を確認しましょう。

落雷証明について

エコキュートの故障を補償してもらうために、落雷証明が必要な場合があります。落雷証明とは何か、確認していきましょう。

落雷証明とは？

落雷によってエコキュートが故障してしまい、火災保険を利用して修理や交換を行おうと思った場合、保険会社によって必要となるのが「落雷証明」です。

落雷証明とは、その名の通り落雷があったことを証明するもので、保険会社によっては落雷証明が無いと保険がおりない場合もありますので、その場合には必ず落雷証明を受け取るようにしましょう。

落雷証明の受け取り方

落雷証明を受け取る方法としては、施工会社が保険会社宛てに落雷証明を発行します。エコキュートの修理施工会社が、故障した原因を特定し、落雷の故障によってどのような修理が必要なのか、修理不能な場合の理由や、掛かる費用などをまとめたものを発行してくれます。

火災保険で全額補償されない場合もある

雷によるエコキュートの故障について、火災保険で全額補償されない場合もあります。

補償対象ではない

火災保険が雷によるエコキュートの故障について補償対象ではない場合は、火災保険に加入していてもエコキュートの修理費用について補償してくれません。現在加入している火災保険を確認することと、これから火災保険に加入される方は火災保険の補償内容を確認してから加入するようにしましょう。

免責がある

火災保険の補償内容に、エコキュートの故障が補償されるようになっていたとしても、「免責」がないか、確認しておくことが必要です。

免責とは、エコキュートの修理費用や、エコキュートを交換する費用のうち、自己負担が発生するもので、修理費用が一定の金額以下の場合、補償対象にならず、全額自分で負担する必要があります。例えば、10万円を上回ることが条件の場合、10万円を超えない場合には補償を受けることが出来ないというものです。

保険金請求を忘れてしまう

そもそも、せっかく火災保険が適用されるのに、それを知らずに保険金請求をしない、もしくは忘れてしまっている場合には、火災保険を利用することはできません。エコキュートが故障してしまったことが火災保険の補償対象とは知らずに保険金請求しないケースもありますので、エコキュートが故障してしまった場合には、まずは火災保険が適用されるか、確認してみましょう。

経年劣化による故障

落雷によって故障したことが認められ、ご加入の火災保険がエコキュートの故障が対象であれば、火災保険が適用され保険金がおりますが、エコキュートが古く、長年使っていたことによって雷の影響ではなく、そのタイミングで、経年劣化で故障してしまった場合には、火災保険の適用にはなりません。

火災保険の適用はあくまでも突発的な事故や故障が対象となるため、経年劣化による故障には適用されません。

落雷によるエコキュートの修理に火災保険を活用する場合の注意点

エコキュートの修理をする際に、火災保険を利用するための注意点を確認していきましょう。

修理する前に保険会社に連絡すること

エコキュートの修理をする前に、必ず保険会社に連絡するようにしましょう。落雷によって故障したということを伝え、どのような書類が必要になるのか、どのような手順になるのかを確認した上で修理を依頼するようにしましょう。事後報告では保険が適用されない場合がありますので注意が必要です。

エコキュートの修理実績がある会社に依頼すること

エコキュートの修理を依頼する先にも注意が必要です。エコキュートの修理に慣れていない業者に依頼してしまうと、火災保険の適用ができるかどうかなど理解しないまま工事だけ先行してしまったり、見積もりがもらえなかったりするという可能性もあります。修理実績の多い会社であればそのようなことは避けられるでしょう。

落雷によるエコキュートの故障で修理費用はいくらかかる？

落雷によってエコキュートを修理する場合、修理費用は故障している部品や規模によって異なりますが、数万円～数十万円（エコテックは16,500円～）ほどとなります。エコキュートの部品が故障している程度であれば数万円程度で済みますが、本体の交換などが必要なケースの場合には数十万円程度掛かります。

落雷でエコキュートが故障するとどんな症状がでる？

落雷によってエコキュートが故障してしまった場合、以下のような症状が出ます。

・エコキュートの電源が入らない

・エラーコードが表示される

・リモコンの表示がおかしくなる

雷が発生し、付近に落雷した場合で上記のような症状が出てしまったときは、落雷によってエコキュートが故障してしまった可能性があります。お近くのエコキュートの修理専門業者に相談し、確認してもらいましょう。

落雷後にエコキュートの電源が入らなくなった場合の対処法

エコキュートが落雷によって電源が入らなくなった場合、それぞれメーカーや製品ごとに対処は異なりますので、取扱説明書の「停電復帰時」の項目を確認して対処することが必要です。例えば、漏電しゃ断器を「切」にして、60秒後に「入」にするなど、それぞれ対処が必要です。

それでも電源が入らない場合は、故障している可能性がありますので、お近くのエコキュートの修理専門業者に相談してください。

落雷でエコキュートが故障した場合の連絡先

落雷によってエコキュートが故障してしまった場合、どのような会社に連絡すれば良いのでしょうか。

まずは、お近くのエコキュートの修理業者に相談しましょう。エコキュートの状態をチェックしてもらい、エコキュートが故障してしまっているのか、その原因が落雷として考えられるのかを確認してもらいましょう。

そして、修理が必要な場合には、見積書をしっかりと受け取り、保険会社に状況を説明して、火災保険の適用の有無などを確認すると良いでしょう。

落雷からエコキュートを守るための対策

次に、落雷からエコキュートを守るための対策について確認していきましょう。

タンク本体の漏電遮断器を切る

落雷からエコキュートを守るために、エコキュートのタンク本体にある「漏電遮断器」を切るという方法があります。漏電遮断器を切っておくことで近くで落雷が起きた場合でも影響を受けにくくなるでしょう。

屋内ブレーカーを切る

屋内ブレーカーを切っておくことも対策につながります。雷によってエコキュートが故障する理由は「雷サージ」が主な原因となるため、通電状態にしておかないことで雷サージの影響を防ぐことが出来るでしょう。

落雷以外にも自然災害によるエコキュートの故障例

最後に、雷以外の自然災害によってエコキュートが故障してしまう例を見ていきましょう。

冠水被害

雨による冠水被害によってエコキュートが故障してしまう例があります。エコキュートは電化製品となるため、雨や冠水など水の影響を受けやすく、冠水が発生したことによってエコキュートが故障してしまうケースがあります。

強風による故障

エコキュートは屋外に設置されているため、台風などの強風によって倒れてしまったり、強風で飛んできた物によって故障してしまったりすることがあります。

地震による故障

強い地震が起きた場合など、エコキュートが倒れてしまい、その影響で故障してしまうことがあります。エコキュートが倒れるほどの地震は家の中がぐちゃぐちゃになるほどの地震となり、エコキュート以外にもさまざまなものが倒れている状況になるでしょう。

雪による故障

寒冷地の場合には、雪による故障も考えられます。ヒートポンプユニットの周りなどに雪がたまることで故障の原因につながることがあります。熱交換の効率が低下することで故障するリスクを高めてしまうというものです。寒冷地にお住まいの方は対策が必要です。

まとめ

この記事では、エコキュートが落雷によって故障してしまうケースや、故障してしまう理由、落雷によって故障した場合にはどれくらいの修理費用が掛かり、火災保険によって修理費用を全額補うことができるのかなど、詳しく解説してきました。

エコキュートが落雷によって故障してしまうケースは0ではありません。そのため、落雷からエコキュートを守るための対策法なども参考にしてください。

エコキュートが故障してしまった場合には、自分で解決しようとせず、お近くのエコキュート修理業者までご相談ください。