エコキュートを利用していて水漏れが起きた際に、色々調べてみると「減圧弁」が原因と出ていることがあります。しかし、エコキュート利用中の方にとっては、減圧弁とはそもそもどのようなものなのか、水漏れを防ぐにはどのような対処が必要なのかなど、わからないことが多いでしょう。

そこで、今回はエコキュート利用中に水漏れしてしまっている方に向けて、減圧弁とはどのようなものなのか、水漏れの原因や対処法、エコキュートの修理を依頼できる会社などご紹介していきます。

エコキュートの逃し弁からの水漏れは減圧弁の故障が原因？

エコキュートから水漏れしているとき、逃し弁から水が出ている場合は逃し弁の故障だけを疑うのではなく、減圧弁の故障や混合弁の故障などのケースもあります。まずは、減圧弁や混合弁の故障について確認しましょう。

減圧弁が故障しているケース

エコキュートの逃し弁から水漏れしている場合には、さまざまな原因が考えられますが、逃し弁の故障ではないケースとして、減圧弁が故障してしまっているケースがあります。

減圧弁とは、逃し弁とは異なる弁で、タンクの下部などに設置されており、水道の水道圧を減圧してタンクに負担が掛からないようにする機能を持っています。この減圧弁が故障してしまうと、水道からの水道圧が減圧されないため、そのままタンクに給水されることでタンクに負担が掛かり、その圧力を逃すために逃し弁から水漏れしているように感じることがあります。

このとき、減圧弁が故障することによって水漏れしているため、故障しているのは逃し弁ではなく減圧弁ということになります。

混合弁が故障しているケース

次に、混合弁が故障していることで逃し弁から水漏れしているように見えるケースをご紹介します。混合弁とは水とお湯を混ぜて蛇口から出すためのもので、給水配管から送られる水と、給湯配管から送られるお湯を混ぜて、適温にして蛇口から出すようにしています。

しかし、水やお湯を送るための配管が逆流してしまい、水道圧によってお湯を押し出してしまうことがあります。

この時に逃し弁から逆流してきたお湯などがあふれ出てくることで、逃し弁が故障して水漏れしているように見えるという形です。

このような状態となり、減圧弁や混合弁が故障することによって、逃し弁が故障しているように見えるというわけです。

エコキュートの減圧弁の役割や仕組み

次に、エコキュートの減圧弁の役割や仕組についてもご紹介していきます。

減圧弁の機能

エコキュートの減圧弁の機能についてまずは確認しましょう。

減圧弁とは、エコキュートが正常に運転するのに欠かせない弁です。減圧弁の機能はエコキュート内部の圧力を調整するもので、エコキュートが扱う高温のお湯が過度な過熱や破裂などを防ぐためにとても重要な役割を持っています。

エコキュート内部にはお湯を作るために発生する蒸気や、水道水の圧力などを制御する必要があり、その圧力制御のために減圧弁があります。

減圧弁が正しく機能しないと、過度な圧力によって正常にお湯や水が出ず、高温のお湯が出てしまうなどとても危険な状態になってしまいます。

減圧弁の働き

減圧弁は具体的にどのような働きをするのでしょうか。

エコキュートは常にタンクの中がお湯や水で満たされた状態になっており、タンクの内部には水やお湯が詰まっている状態です。そのような状態のタンクには圧力を調整するものが無ければタンクへの負担が掛かり、最悪の場合は破裂してしまうような状態になります。

このタンクへの負担を軽減するため、エコキュート内部の圧力を調整している働きをしています。

具体的には、タンク内の圧力を0.1MPa以下に保つのが減圧弁で、膨張水をタンク外に排出するための弁が逃し弁となります。

減圧弁とエコキュートの仕組み

減圧弁の役割をより詳しく理解するためには、エコキュートの仕組みも理解が必要です。

エコキュートの仕組みは、ヒートポンプユニットで作られたお湯が貯湯タンクユニットに貯められ、そのお湯をお風呂やシャワー、キッチンの蛇口などに送られていきます。

この時、熱湯のままシャワーなどに送られてしまうと、身体がヤケドしてしまうため、適温に調整してお湯が送られるようになっています。

この時にお湯の温度を調整するために貯湯タンク内に水が給水されますが、この給水された水に熱が加わると、お湯に変化していきます。お湯に変化した水は体積が膨張していき、貯湯タンク内で体積が大きくなります。

体積が膨張すると貯湯タンクに負担が掛かり、最悪の場合は破裂してしまうことになります。このような状態にならないように減圧弁が「減圧」して調整する仕組みとなっており、ほとんどのエコキュートがこの「減圧弁方式」の仕組みとなっています。

減圧弁が故障する原因

減圧弁が故障する原因にはさまざまなものがありますが、経年劣化による故障や不具合が多いでしょう。エコキュートを構成する部品にはさまざまなものがありますが、部品にもそれぞれ寿命の目安があり、エコキュート自体の寿命は大体10年～15年と言われていますが、そのエコキュートを構成する部品の中には、そこまで寿命が長くない部品も存在します。

減圧弁が故障しているかどうかや、故障の原因は素人には判断が難しいため、逃し弁から水漏れしている状態の場合や、圧力に関するエラーコードが表示される場合などは、減圧弁の故障を疑い、専門業者に点検してもらうことがおすすめです。

エコキュートの減圧弁が故障するとどんな症状がでる？

次に、減圧弁が故障するとどのような症状が出るのか、確認していきましょう。

お湯や水が出なくなる

エコキュートの減圧弁が故障すると、お湯や水が出なくなる場合があります。エコキュートの減圧弁は、お湯と水を混合させて適温のお湯を出すために圧力を減圧してタンクの負担を軽減させます。この減圧弁が故障することによってお湯や水を混ぜるための仕組みが成り立たずにエラーが表示されてお湯も水も出なくなる場合があります。

逃し弁から水が漏れる場合がある

減圧弁が故障することによって、逃し弁から水漏れしている状態になります。逃し弁が故障して水漏れしているように感じても、実際には減圧弁が故障したことによって、逃し弁から膨張水があふれ出たり、水が逆流して逃し弁からあふれ出ていたりするケースがあります。

逃し弁から水があふれている場合には、減圧弁の故障が原因かもしれません。

タンクが破損する

減圧弁の役割はエコキュート内部の圧力を調整して、タンクへの負担を軽減させることにあります。そのため、減圧弁が故障することによってその役割ができなくなり、タンクに負担が掛かり最悪の場合はタンクが破損してしまうというケースがあります。

最悪な状態になる前に、日々エコキュートの点検やメンテナンスがおすすめです。

減圧弁のメンテナンス方法

エコキュートの減圧弁をメンテナンスする場合、以下のようなメンテナンスが必要です。

・減圧弁の状態確認

・減圧弁の劣化確認

・減圧弁の洗浄

減圧弁が正しい状態で稼働しているか、汚れや傷など劣化している部分はないか、減圧弁からの漏れや劣化の兆候が無いかなどを確認することが必要です。

また、減圧弁が汚れていたりカルキなどが堆積していたりするため、定期的な洗浄作業が必要です。

しかし、これらの減圧弁のメンテナンスは、素人ができるものではないため、減圧弁をメンテナンスする場合には、エコキュートの専門業者に定期点検をお願いする必要があります。

エコキュートは精密機械となるため、エコキュートを長く使い続けるために専門家によるメンテナンスがおすすめです。

エコキュートの減圧弁が故障した場合の対処法

エコキュートの減圧弁が故障している場合、どのような対処が必要なのでしょうか。

結論、減圧弁が故障している場合は、エコキュートの修理専門業者に依頼して、減圧弁の修理や部品交換などをする必要があります。そもそも、先述したように素人ではエコキュートの減圧弁が故障しているのか、逃し弁が故障しているのか、混合弁が故障しているのかは判断がつかないため、逃し弁から水漏れしていたり、エコキュートに異常が出たりした場合に、すぐに専門業者に依頼して点検・確認をしてもらう必要があります。

そして、逃し弁の故障ということが分かった時点で、専門業者に逃し弁の修理や交換をしてもらいましょう。自分で対処しようとせず専門家に依頼することがおすすめです。

エコキュートの減圧弁を修理してくれる会社は？

エコキュートの減圧弁を修理してくれる会社は、「エコキュートの修理専門業者」です。エコキュートのメーカーや製品によってそれぞれ部品が異なるため、さまざまなエコキュートの修理実績がある業者への依頼がおすすめです。

エコキュートの修理専門業者はメーカー研修を受けたプロのスタッフとなるため、減圧弁のような複雑な仕組みの修理も安心して任せることができます。ただし、一方でメーカー研修などを受けていない業者などはエコキュートの修理を依頼することはできないため、必ず専門業者に依頼して対処してもらうようにしましょう。

エコキュートの減圧弁を修理する費用について

エコキュートの減圧弁を修理する場合の費用相場としては、大体20,000円～30,000円程度（エコテックの場合は16,500円～）となっています。対象のメーカーや製品によっても異なりますが、減圧弁の部品交換などはそこまで高額な費用は掛かりません。

ただし、エコキュートの修理業者ごとに値段設定などは異なるため、必ず事前に見積もりをもらうことがおすすめです。

シャワー圧と減圧弁について

エコキュートを利用している方の中には、シャワー圧が弱いと感じる方もいるでしょう。シャワー圧にそこまでこだわりが無い方にとっては、エコキュートを利用していてもシャワー圧について不満を持っていないと思いますが、シャワー圧を重要視している方にとっては、重要な問題だと思います。

このシャワー圧が弱くなる原因には、減圧弁の存在があり、これまでご紹介してきたように減圧弁は貯湯タンク内の圧力を減圧する役割があります。

その減圧の仕組みによって、シャワーから出てくるお湯も圧力が少なく、シャワー圧が弱いと感じてしまうかもしれません。

エコキュートの仕組みとして減圧弁は必須の弁となるため、貯湯タンク内の減圧をやめることはできません。

ただし、対策としてはエコキュートの減圧が行われるのは、お湯の比率が高い状態のときに貯湯タンクで減圧されたお湯が多く出てくるため、シャワー圧が弱く感じるのかもしれません、そのため、水道圧の方を強くするため、お湯の比率を下げ、水の比率を高くすることでシャワー圧は高まるかもしれません。

エコキュートの寿命について

最後に、エコキュートの寿命について確認していきましょう。

エコキュート本体の寿命について

エコキュートは永久的に利用できるものではなく、本体にも寿命があります。メーカーや製品、エコキュートの使い方によっても寿命は異なりますが、一般的には寿命は10年～15年ほどと言われており、10年以上利用しているエコキュートは寿命が近づいている可能性があります。

必ずしも10年で寿命が来るということではありませんが、寿命が近づいてくるとエコキュートの部品が劣化によって故障しだしたり、エラーコードが頻発したりしてきます。10年以上利用してこのような症状が出る場合には、エコキュートの寿命が近づいているのかもしれません。

エコキュートの減圧弁の寿命について

減圧弁にも寿命があります。エコキュート本体の寿命のように10年～15年持つとは限りません。減圧弁の方が早く劣化して故障したり不具合が生じたりすることがあります。エコキュート本体は問題なくても、減圧弁の方に寿命がきて、減圧弁の交換が必要になるケースがあります。素人には判断が難しいため、専門業者に確認してもらいましょう。

まとめ

ここまで、エコキュートの減圧弁について、どのような役割や機能を持っているのか、減圧弁が故障したときの対処法や、エコキュートの寿命についてなどを解説してきました。エコキュートの修理は自分で行うことはできないため、今回の記事を参考に、修理依頼ができる企業への問い合わせを行ってください。